花びらながれ37

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 工藤がコートを手に立ちあがると、良太も慌てて工藤を送るために鍵を持って工藤のあとに続いた。
 赤坂五丁目辺りまで来たところで、ハンズフリーにしている良太の携帯が鳴った。
「広瀬さん、助けて!」
「市川さん??! どうしたんだ?!!」
 車内に緊張が走る。
「追われてるの!」
「誰に? 今どこだ?」
「局内……奏ちゃんに電話したんだけど全然出なくて」
 声が小さくなった。
 どうやら市川はまだ有吉の部屋が火事になったことは知らないらしい。
「市川さん?!」
 少し間があって、また市川の声がした。
「私、やっとさっき思い出したの!」
 小さいがはっきりした言葉が聞こえたのはそれだけで、あとは聞こえなくなった。
「え、何を思い出したんだよ? 市川さん?!」
 携帯が切れた。
「やば……追われてるって、まさか犯人?」
「良太、MTVだ」
 後部座席から工藤が言った。
「え……はい!」

 


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