花びらながれ4

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 ここでヒロインを打診していた事務所から、そのシーンの内容から断りを入れられた。
 新人女優には荷が重すぎるというのが理由らしい。
 そこでスポンサーである家電大手がもともと押していた竹野紗英に白羽の矢が立った。
 最近女優として伸びていると評判の人気女優ではあるが、業界では超わがままでスタッフ泣かせという評判の方が先に立っている。
 元来人気女優やアイドルといえば、どちらかというと周りがちやほやしつくして、おだてて女王様に仕立て上げるので、それが自分の事務所の人間だけでなく、スタッフや監督、プロデューサーにまで注文をつけるといったどこか勘違いした暴挙にでてしまうことが少なくない。
 可愛かったり美人だったりして人気もあれば、周囲も仕方ないかと、とにかくおだてて仕事をしてもらわなくてはという方向へ動いてしまう。
 そこへ実力が加わって本物になればもう誰も文句は言えなくなる。
 そうするとさらに周りは扱いにくくなるのだ。
 青山プロダクション所属の中川アスカもそのうちの一人といえるわけだが、竹野はアスカに輪をかけて扱いにくいという評判だった。
 デビューが十三歳というから二十二歳と言っても既に芸歴十年目、彼女と仕事をしたプロデューサーやディレクターですらスポンサーを通してクビを切られた者もいるというが、彼女の怒りをかったためというのがもっぱらの噂だ。
 竹野が受けてくれたと、鼻歌交じりに坂口から電話があったのは昨日のことだ。
 例によって、あとはよろしく、だ。
 竹野に関する色々なデータをかき集めて、良太は取り掛かる前からため息をついた。
「軽く言ってくれるよな~、坂口さんも。せっかく山之辺芽久のことが片付いたと思ったのに」

 


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