花びらながれ43

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 しかし良太がさっきから気にしているのは、重要人物がまだ来ていなかったからだ。
 こっそり表情を見る限り、沢村の表情は精彩を欠いていた。
「開幕戦、お前の特大ホームランで勝ったじゃん。何黄昏てんだよ」
 良太は気を利かせて、沢村のグラスに好きな焼酎を注ぐ。
「クッソ、今夜は飲んでやる!」
 良太は一つため息をつく。
「管巻くのは帰ってからにしてくれ」
「それが親友の台詞かよ?」
 言うが早いかグラスを空にする。
 事件は解決したし、とりあえずドラマの船出に関しては準備が整いつつある。
 後で何が起こるかはわからないが。
あとは………
 良太がもう一つため息を吐こうとしたその時。
「こんばんは」
 振り返ると直子を伴った佐々木が立っていた。
 良太は思わず佐々木に駆け寄った。
「よかった、来てくれたんですね、さ、どうぞどうぞ」
 二人を裏庭の中心へと促しながら、良太は言った。
「何か俺、今、天岩戸が開いて、天照大御神が降臨したくらい佐々木さんが神々しく見えました」
 途端表情を曇らせる佐々木の横で、直子が笑い出した。


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