花びらながれ5

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 どうやら竹野の事務所側とスポンサー側は内内で話はついているようだが、とりあえず正式に出演交渉をしなくてはならない。
 事務所にアポを取り、書類を作り、そんなことを何回か繰り返していると、すぐ時間が過ぎていく。
「いけね、ドラゴンの事務所、二時だった!」
 書類を入れたバッグを掴み、コートを取ってあたふたと良太が出かけようとした矢先、ポケットで携帯がなった。
「誰だよ、急ぐ時に……」
 エレベーターを待ちながら携帯を取り出した良太は画面を見て、あいつ、と眉を顰めた。
「何だよ、今急いでんだから……」
「近々佐々木さんと会う予定あるか?」
 沢村の第一声で、良太は予感が当たったのを知った。
「まあ、明後日、CFの立ち合いが…」
「だったら頼む! 俺に電話くれるように言ってくれ」
「お前また何したんだよ」
「詳しいことは後で話す」
 それだけ言ってブチッと切れた。
「やっぱり佐々木さん絡みか」
 ブツブツ呟きながら、駐車場に降りると、良太はジャガーに乗り込んだ。
「白金だっけ」
 良太はナビをセットすると、ハンドルを切ってアクセルを踏む。
 MBCテレビで制作中のドキュメンタリー番組『レッドデータアニマルズ‐自然からの警告』の音楽は人気ミュージシャンに依頼している。
 良太もいくつか好きな曲がある『ドラゴンテイル』は、ボーカル担当の水野あきらがほとんどの曲を作っているのだが、この独身美女と噂の水野はライブ中心で滅多にメディアに顔を見せないので有名だ。

 


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