花びらながれ9

back  next  top  Novels


「それで今回参りましたのは、『レッドデータアニマルズ 自然からの警告』の音楽全般を今回ぜひ『ドラゴンテイル』の皆さんにお願いしたいと思いまして、番組のご説明をさせていただきたいんですが」
「いいよ、どうぞ」
 気難しいどころか、気さくに対応してくれているのは、ひとみや工藤の類友だからだとしても、日増しに面倒ごとが積み重なっていくような気がしている良太にとってはひどく有難かった。
「うん、なるほどね。私らも犬猫保護活動とかやったりしてるし、絶滅危惧種とか動物のことなら、うちのメンバーみんな賛同してくれてるから大丈夫だよ」
 その答えを聞いてホッとしたのもつかの間、「だけどさ」と水野が言った。
「契約書とか、私、まったくわかんないし、高広が書類上のことはとりあえず良太に任せとけばいいって言ったんだけど、いいかな?」
 はあ、また人に押し付けやがって、とまた良太はため息を吐きそうになるのを寸前でこらえる。
「大丈夫です。それでは必要書類を作成してまたお持ちしますから、メンバーの皆さん全員のご署名捺印をお願いいたします。納期的には大丈夫でしょうか?」
「それは任せといて」
 水野はにっこりほほ笑んだ。
「そういえば、良太ちゃんは私らの曲、どう?」
「『見つめて』とか『光へ』とか好きです。特に『光へ』ってパワフルで元気になれるっていうか」
「ふうん。良太ちゃんがそう言ってくれるんなら信用できるかな」
「え?」
 含みがありそうな水野の言葉に、良太は彼女を見つめた。
「こういう業界に長いこと居るとね、何か誰を信用していいかわかんなくなるんだよね」
「はあ、何か、わかります」

 


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ