清風 11

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 淡いピンクのピンストライプのシャツにタイはどれにしよう、とやっていたら、チャイムが鳴った。
「俺だ」
 工藤の声に、良太はドアを開けにいく。
「何やってるんだ」
 工藤はベッドに散乱しているスーツやタイを見回す。
「お茶会なんて、何着ていったらいいかわからなくて」
 チャコールグレイのスーツに薄いブルーのシャツ、ブルーのタイを今日も紳士然と着こなした工藤は、良太の手からオリーブグリーンのタイをとる。
「これでいいだろう。そうしゃっちょこ張る必要はないぞ」
「だって、千雪さんとかもいるし……」
「何だって?」
 良太が口の中でもぞもぞ言ったのは工藤にはよく聞こえなかったらしい。
「いえ、あの、すぐ行きますから…」
 車で待っててくれというつもりだったが、慌てているのでタイがうまく結べない。
 工藤は見ていられずに、タイを結びなおしてやる。そんな時、恥ずかしいそうにしている良太は案外可愛いのだが。
 ナータンが、一緒に遊んで、と言うように、ナーンと鳴いて良太と工藤の足元にじゃれている。
「あ、毛がついちゃいますよ」
 工藤はしかし気にすることもなく、良太のタイを結び終えると、「行くぞ」とドアに向かう。
 良太は慌ててカフスをとめながら、後に続いた。


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