清風 18

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 高校生だという大から、和やかさに忘れていたその話題が出て、良太はちょっと顔を引きつらせる。
「いや、あれは、ほんの代役で~」
「だって、女の子すげえ騒いでたし、きっとビッグになると思うな」
 うう~、その話題はやめてくれ~
「そうよねぇ、なかなか可愛いし、今はヘタでもやってればいやでもうまくなるわよ」
 アスカまでが余計な口を挟む。
「せっかく人気出たのに、やらないなんてもったいないわよ。そうなりたくてもなれない人だっているのに」
 これ以上、工藤との間に波風立てたくないんだってば!
 良太は目でもうやめろと訴えるのだが、アスカはおかまいなしだ。
「ちぃ兄ぃの映画とかドラマに出たらいいじゃん」
 大は叔父である京助や涼を京兄ぃ、涼兄ぃ、と呼ぶように、千雪をちぃ兄ぃと呼んでいる。
「と、とんでもない、俺なんて、そんな」
「やめとけ、やめとけ、嘉人なんかと比べられて、プレッシャーに潰されるのが落ちだ」
 あんたに言われたくない、とは思うが、今の状況では京助の台詞は良太にとってはありがたい。
「良太はそんなことで潰されるほど肝が小さくはないで」
 そんなところで、千雪が良太を弁明する。
「やってみな、わかれへんわ」
「そうよ、京助なんかに、良太のセンスのよさなんて、わかりっこないわよ」
「センスだ? お前とどっこいどっこいじゃ、たかが知れてるってもんだ」
 良太のことを調度いい口争いのネタという感じで言い合っている彼らも彼らだが、工藤は相変わらずマルローや大長と話を交わしていて、こちらの話には知らん振りだ。
「本人のやる気次第だと思うけど? ね」


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