清風 22

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 リビングに戻ると、千雪とアスカ、それに大と京助は、また何やら言い合っていた。
「あいつらのことは気にしなくてもいいよ。顔を合せるとああなんだ」
 良太の横で涼がクスリと笑う。
「でも確か以前、アスカさんと京助さんって、雑誌に取り上げられてたことあったよな。熱愛とかって」
「実際は、アスカと兄貴が千雪をとりあってる」
「あ、ああ、そっか」
「あれ、知ってるんだよね? 千雪と兄貴のこと」
 改めて聞かれて、良太は「まあ」と返事する。
「京兄貴とアスカはガキの頃から、犬猿の仲だったから、半分レクリエーションみたいなもん?」
「はあ。でも、ここんちじゃ、京助さんと千雪さんって公認?」
「兄貴はそれこそあからさまに千雪を独占してるからね。小夜子さんも知ってるってより、京兄貴と千雪のお陰で紫紀兄貴と結婚したってとこ」
 小夜子の息子で四歳の芳紀と一歳のその妹雪乃は、この家の手伝いをしている若い女性に連れられて、たったさっき顔を見せていた。可愛い盛りだ。
「へえ、そうなんだ」
 自然と笑みが浮かぶ。
「父はとっくに知ってるし、母もね、何も言わないけど、あの人は。京兄たちの実母じゃないからだけじゃなくて、俺のことにもあまり口は出さない」
「え、そうなの?」
「あ、でも全然仲はいいんだよ。俺はNYだし、紫紀兄貴もパリを拠点に、あちこち飛び回ってるだろ? 京兄貴ひとりで父母を気遣ってくれてる。口は悪いけど、そう悪人じゃないよ」


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