清風 25

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 高校生にしては大人びた外見をしているが、口を開くとやはり年相応に違いない。
「あ、ああ、俺はまだ駆け出しで、そんな仕事らしい仕事はしてないんだけど、今やっているのは、スポーツニュースの番組で、『パワスポ』って知ってる?」
「見てるよ、いつも。あれ、広瀬さんがやったの?」
 尊敬の眼差しで見られると、良太も照れくさい。
「いや、俺がやった、てんじゃなくて、ディレクターさんとか、ライターさんとか、たくさんの人と一緒に作っていくわけで」
 しばらく大とテレビの仕事談義をしているうちに、マルローたちの席も終わったようだ。
 マルローは茶室を出てからも、小夜子にあれこれ説明をもとめては、オーバーアクションでいちいち感激を表していた。
 
 
 リビングでみんながくつろぐ頃には、陽がそろそろ傾きかけていた。
 京助がパイを、千雪と大がカップやポットをトレーに載せて運んできて、みんなに振舞う。
「そういえば、工藤さん、さっきアスカさんから聞いたんやけど、やっぱり、小笠原裕二、青山プロダクションに移籍するんですか?」
 千雪からカップを渡された工藤は苦々しい顔で、「あのおしゃべり」と呟く。
「いろいろ脅してみたが、本人はやる気はあるらしい」
「また、わざと組の話なんかしたんやないですか?」
 千雪が笑う。
「事実だからな。ちょっとやらせてみてようすを見るさ」
「でも、またマネージャーとか探さなあかんし、良太をあんまりこき使わんといてくださいよ」


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