清風 3

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 社長と秘書がくっつくなんてのは世間でよくある話だが、あいにく二人とも男だというのが、ほんのちょこっと違うのかも知れないが。
 年が明けて四日、工藤からもらったクーポン券で、良太は家族四人で北海道へ温泉旅行二泊三日の旅行に行ってきた。
 夏に予定していた家族旅行にCM出演騒動で良太が行けなかったことを工藤は考慮してくれたに違いない。
 家族揃っての旅行なんて何年ぶりだろう。
 やっぱかなわないや。
 工藤と自分を比べるなんておこがましすぎると思うのだが、そんな時、どうしても自分が小さく思えてしまう。
 仕事を持っているタレントは別として、青山プロアクションの仕事始めはそんなわけで七日であった。
 カレンダー通りなら翌日が土曜日で世の中は三連休のはずである。オフィスも対外的には土日は営業していないことになっている。
「マネージャーの募集広告、明日の新聞には載りますけど、来てもなかなか決まらなさそうですよね」
 良太はさり気に話題を変える。
「小杉に兼任してもらうしかないだろう。決まるまでは」
「でも小杉さん、志村さんと今LAじゃないですか。いいですよ、当分、俺やりますから」
 何をやるかというと、この青山プロダクションに移籍することになった俳優、小笠原裕二のマネージメント関係の仕事である。
 モデル出身の若手人気俳優、小笠原裕二が、所属していたマネージメント会社社長にギャラなど何千万という金を使い込まれた挙句、逃げられた話題は、先頃のワイドショーなどを賑わしている。


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