清風 30

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 京助のほざきは無視して、涼は千雪に、
「どういうこと? 良太、千雪のこと、えらく感心してたけど……何か、あるの?」
「いや……ちょっと」
「気になるじゃん、教えろよ」
 涼はふと、さっきから直感的にやばい、と感じている。
「良太、工藤さんのことで、俺のこと、敵対視してんねん」
「…………って……どういうことさ?」
「工藤さん、良太のこと、ほんまに大事に思うてはるねんけど、良太は誤解してるんや、俺のこと」
「誤解じゃねーだろ。事実だ」
 京助が混ぜっ返す。
「うるさいな、昔、荒れてはった時のことやし……」
「荒れてはった時が聞いて呆れる。第一、工藤のやつ、未だにお前に入れ込んでるじゃねーか」
「お互い仕事ってだけや。お前こそ、叩けばようけ埃がでるくせに」
「言ってくれるじゃねーか」
 毎度の痴話げんかにつきあう気は、もうとうなかったが。
 彼らが帰った後で、涼は慌てて良太の携帯を呼び出してみたのだが、応答はなく、仕方ないので至急連絡が欲しい旨をメッセージに残した。
「参ったな~、まさかそんなこととは。俺、バカなこと言っちゃったよ。だから、段々元気なくなってたんだ」
 後悔先に立たず、真夜中十二時まで待ったが、良太からの連絡はなく、涼は傷はできるだけ浅いうちに、と再び電話を取った。


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