清風 31

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   ACT 4
 
 
 オフィスでは亡羊とした頭で良太は残っていた書類の整理などをやるべく、キーボードを叩いていた。
 コンビニまで出て食料などを仕入れてきたものの、部屋にいても何となく落ち着かなくて、ジーンズのままオフィスに降りたが、弁当を開く気にもなれず、自分のパソコンに向かう。
 仕事をしていた方が気が紛れると思ったのだが。
 昨日はしばらく工藤の顔も見たくない、なんてついすねてしまった良太だが、工藤が忙しくなったら二人で会うなんてまた当分おあずけかも知れない、と本当のところ気が気ではない。
 俺ってバカ~、毎回どうしてこうなんだろ。
 それから、どれだけ時間が経ったか、ギイッとオフィスの開く音がして、ダラダラとキーボードを叩いていた良太は振り返った。
「な、んだ、工藤さん、お疲れ様です。あれ、小笠原さんは?」
 思いがけず現れた工藤に、昨夜のやり取りも忘れたようにちょっと喜んだ良太だったが、何となく、怒気のオーラを感じて、控えめに尋ねる。
「帰った。あのガキ、散々ああだこうだといちいち文句つけやがって」
「え、まさか、移籍やめるってんじゃ」
 それで怒っているのか。
「バカいえ、その程度でやめるやめないの問題じゃない」
「あ、でもイベントは無事終わったんですか?」
「何とかな」
「そ、それはよかったですね、はは」


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