清風 36

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 耳元に囁かれて良太の血液がざわめきたつ。
「ば……っかやろうっ!」
 深い口づけに良太の空しいバリケードもそれで一気に崩れた。
 長く放っておかれた体は、良太の心とは裏腹に工藤の指の熱さに素直に開いていく。
 工藤に餓えていただけ工藤を欲しがっている。
 工藤はまだシャツを着たままなのに、ソファから絨毯の上に引き摺り下ろされた良太の体は素裸で、だが、羞恥と悔しさも一瞬のこと。
「……っ、やだ……く…どおさん……!」
 既に蕩けた良太の体をじらしながら追い上げてやると、濡れた目で工藤を睨みつけるのだが、そのうち甘い息を絶え間なくもらしながら、ねだり始める。工藤はそれがたまらずかわいいのだ。
 工藤を受け入れると、良太は抗いようもなくただ喘ぐばかりだ。
 はあっ、と、いきついたのもつかの間、揺さぶられながらさらに与えられる悦楽に、それでもまだ足りないと、浅ましい自分がやるせなくて、良太はただすすり泣いていた。
 
 
 
「いつまですねてるんだ。ガキみたいに」
「……っせーや! チクショー!」
 シーツにもぐりこんだまま、良太は喚く。
 さんざん良太を泣かせた挙句、工藤はぐったりした良太をシャワーに連れて行ったのだが、そこでまたさらにいたぶった。
 全身が敏感になり過ぎている良太の体は工藤の指のちょっとした刺激にも、燻っている身体の芯に火をつけてしまう。
 我を忘れて感じまくった己の痴態を思い出すと、良太はそのままドロンと消え去りたいくらいだ。


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