清風 6

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 確かに青山プロダクションにとっては大事なスポンサーなのだろうが、工藤があんなにはりきって行こうとするのは、千雪がいるからではないかと。
 俺ってやつは…………
 茶会に行く理由が結局そこに至るというのも情けない気はする。
 電車に乗れば、自然アスカが表紙を飾る女性誌の広告が目に留まる。中吊り広告をチェックするのも良太の仕事のうちだ。
 改めて見ると、アスカはかなりな美人なンだと思う。
 まあ、我侭で人使いが荒いけど、あれで正義感も強いし優しいところもあるのだ。
 ふと別の広告に目を移し、良太はウッと固まる。謎の『和泉秀也』とは何者? などと小さく出ているのを見つけてしまったからだ。
 小笠原のことよりも、実は良太の頭を悩ませているのがこれだ。すったもんだのあげく、工藤の大反対を押して良太がほんの端役で出演したドラマの反響が思いがけないところでやってきたのだ。
 わざわざ鈴木さんがビデオを撮ってくれたのだが、恥ずかしくて、自分ではまだしっかり見ることさえできないでいる。
 見るな、と釘を刺したにも関わらず、妹の亜弓も両親もしっかり、『見たよ、お兄ちゃん、ナカナカのもんじゃない』
 旅行の間もその話題はナシ! と喚く良太をみんなが笑っていた。
 良きにつけ悪しきにつけ良太の予想を上回る反響で、さらにドラマが終わった三日の夜の時点で、かなりテレビ局に問い合わせがあったらしい。
 ドラマについての電話が翌日から何度もかかってきたようだ。


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