清風 9

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 寄るな触るな、工藤は俺の恋人なんだぞー、なんて言ってしまいたくなることもある。でも悲しいかな、男である良太はおいそれとそんなことを口にするわけにもいかない。
 どこぞでうまくやってるんじゃなかろうか、という心配はどうしても消えない。
「くそぉ、浮気してやる!」
 なんて口にしてみても、できっこないことは自分が一番よくわかっているのだ。
 どうしたって工藤と自分は対等ではないのだし。
 より好きな方が負けってやつ。
「ちぇ、企画書早くあげちまって、ビール飲みながら、野球だ!」
 鈴木さんがまたそれを聞きつけて笑った。
 


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