花の宴 14

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 いつの間にか千雪の傍にやってきた下柳は、千雪に単刀直入に聞いた。
「はあ、ガキの頃から女みたいや言うて、からかわれよりまして、ほんで、上京するとき思いついてそのまま……」
「なある、いろいろ苦労があったと……」
「はあ、すんまへん」
「いやいや、別に謝らんでも……いや、しかし、びびるなー、いきなりこんな美人に変身されると。で、次回作はもうクランクイン間近で…」
 秋山が加わってやおら仕事モードに入っている千雪と下柳を工藤の横でひとみが斜に見つめている。
 やっぱそりゃ、驚くよな、良太はそんなひとみを見て思う。
 今夜は千雪が京助と一緒にいるせいか、良太の胸中も比較的穏やかだ。
 それより、肇のことの方が気がかりだった。
 もし、かおりを沢村に取られてしまったら、と。
「すんごい、こんなゲーノージンばっか、それもすんごい美人ばっかで驚いちゃったわよ」
 良太がかおりを呼ぶと、かおりは笑って肩をすくめる。
「あ、でも大丈夫、小林千雪があんな美人だったなんて、誰にも言わないから。あと、社長と山内ひとみができてるとか、オフレコってやつでしょ?」
「え、いや、社長とひとみさんは別に……」
「大丈夫だって! でもカッコいいと思ったのになー、社長、残念!」
「え………………」
 工藤を見て、ほうっとため息をつくかおりに、良太は一瞬言葉をうしなう。
「いや、そうじゃなくて、な、ここだけの話、沢村とは、その、どうなん?」
 良太はコソっと小声で聞いてみる。
「やっだー、良太くんってば!」
 バシ、とまた背中を叩かれる。
「大丈夫よ、大事な沢村くんを取ったりしないから」


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