花の宴 2

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「いいわねー、それじゃ、いろいろ準備しなくちゃ」
 鈴木さんも既に大乗り気ではしゃぎ出すし、急遽、午後七時半、青山プロダクション花見の会開催となった。
 窓越しに桜並木を見やると、満開の夜桜を愛でようとあちこちそぞろ歩く人の影がある。
 お花見しようよ、とかおりからも良太に先週電話があった。
 その前には沢村が、「俺が3号打ったら、花見しようぜ、『桜野球少年会』で」などと携帯にわざわざかけてきた。
 『桜野球少年会』って何だ、と聞くと、クラブチーム発足のためのプレチームだなどと勝手なことを言う。
 メンバーは四人、当然沢村とかおり、肇に良太だ。
 だが、この分だと雨が降ったあとでは花見は無理だな。
 どうせまあ、花、は名目上、飲みたいだけなのだ、やつらは。
「良太、野間さんとの打ち合わせは明後日になった。高輪にやってくれ」
「え、ドタキャン? どうしたんですか? 野間さん、あんなに張り切って飲むぞとか言ってたのに」
 大手出版社集洋社の野間と工藤は数年来のつきあいである。
 一昨年人気男性誌月間『パイオニア』の編集長に就任し、小笠原裕二が旅のコラムを連載しているが、これが結構受けているというので手を加えてムックとして出すことになった。
 その打ち合わせだったのだが。
「痛風なんだよ」
「げ、そうなんだ。あの人グルメだもんなー」
 良太も一、二度会ったことがある。少々太めだが穏やかそうな人だ。
「あ、じゃあ、もう予定入ってないってことでしょ。今夜の花見、行きましょうよ。八時前か、今頃始まってるな」
 そう言ったかと思うと、良太は会社へと車を走らせる。


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