花の宴 5

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 騒ぎながらやってきたのはマネージャーの真中を従えた小笠原だ。
「ドンペリだぜ~!」
「おお、いいじゃんいいじゃん」
 小笠原からドンペリのボトルを受け取ると、俊一が早速コルクをポンと抜く。
「工藤さん、無理やり連れてこられたって顔してますよ」
 秋山が工藤に言った。
「俺は今夜はゆっくり部屋で過ごす予定だったんだ」
「いいじゃないですか。花はきれいだし」
 工藤はこぼれそうに咲き誇った花を見上げる。
「花は……きれいだが……」
 この季節は好きじゃない。
「え?」
「いや……」
 僅かな感傷を散らしたのは、良太の携帯から流れる関西タイガースの応援歌だ。
「え、何だって? ホームラン? 見てないよ、仕事だったし」
 沢村である。
 ホームラン3号を打ったから、これから花見をしようというのだ。
「花見? 今夜はちょっと無理だよ……」
『明日の雨で花なんか散るぞ、今夜じゃねーと』
「いや、それが、今、うちの会社の花見でさ…」
 と、いきなり隣から手がのびて、良太の携帯を取り上げた。
「こっちにいらっしゃいよ、お花見ならここでやってるから」
「ちょ、アスカさん!」


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