みんな、はっぴぃ!14

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「じゃーーん、これ、私が作ったリースでーす」
 悦子が直径三十センチほどのきれいなリースを差し出す。
「すごいな、さすがアーティストだ!」
「ドアに飾ってきまーす」
 リビングの真ん中に置かれた大テーブルでは、浩輔と悠が料理の盛り付けで躍起になっている。
「なんや、ディケンズとかホームアローンの世界やな」
「そう、それ! ホームアローンなクリスマスってのが、このパーティの趣旨なんですよ」
 小林の口から飛び出した言葉に、悠たちを手伝いながら藤堂がわが意を得たりとばかりに頷く。
 披露宴かと思うほどの大きなケーキには蝋燭が灯され、『ライラック』というロゴが入ったナプキンの上にはいろいろなチョコレートやチョコレート菓子が並ぶ。
 料理は中華あり、フレンチあり、イタリアンありと多国籍風で、お寿司まである。
 それから何といっても大きな七面鳥だ。
 それらすべてがマイセンだかなんだかの皿の上に盛りつけられ、きれいなカッティングのグラスや銀製のカトラリーなどがテーブルに並ぶ。
「おお、すげー、ドンペリの山だっ!」
 高津がさっき届いた宅配便の箱を開けて叫ぶ。
「さやかさんからだ」
 浩輔が覗き込み、差出人を見て言った。
「俺も、何か、てったおか」
 リビングの壁に飾られた、藤堂とアイちゃんを描いた一五〇号の絵を見ていた小林は、テーブルのセッティングを手伝っている良太に声をかける。
「え、いいですよ、もう、セッティングだけだし」
「けど、ほんま、俺、なんも持ってこんときてもうたしな」
「俺だって、交換プレゼント、だけですよ」
 すると、腕まくりをした手が背後からすっと伸びてワインやシャンパンのボトルをテーブルに載せる。
「何も気にしなくていいんですよ。楽しんでくだされば。スポンサーは河崎に任せとけば」
 藤堂は小林ににっこり笑う。
「あ、そっか!」
 急に小林が言う。
「『PLUG‐IN』って、ギャラリーの下にあったオフィス?」
「そう、あれがちっぽけながらも我々の城です」
 自慢げに言うと、藤堂は盛りつけられた合間に、重ねられた取り皿を置いていく。
「とかいっても、河崎さんも藤堂さんも英報堂のトップだったんです。浩輔さんと三浦さんもみんな元英報堂社員」
「へえ、エリート集団いうやつ?」
 そのうちに客が次々とやってきた。
 さやかがフランス人の友人二人を連れて現れる。
 見栄えのいい金髪の男たちだ。
 直子は目一杯おしゃれした女の子二人を連れて現れ、場は一気に賑やかになった。
 そのあとギャラリー『銀河』のアシスタントである啓子が、社長の美保子の差し入れだと言って、大きな器二つを持った寿司屋と一緒に現れると、「おおおー!」とみんなが拍手喝采で出迎える。
「遅くなりまして」
 次に現れたのは、ふちなしメガネのいかにもエリート然とした三浦だ。
「河崎さん、一時間くらい遅くなるそうです」
「ああ、達也のことはいいの、ほっとけば。じゃあ、これで大体そろったねー。じゃあ、みなさん、順番に用意してきたプレゼントをどこかに隠してみよう。最初は悠ちゃんからね。他のみなさんはちょっと廊下の方に出てくださいーー」
 藤堂の合図でみんなぞろぞろと廊下に出た。
 


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