みんな、はっぴぃ!21

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 お開きの前には、恒例の藤堂サンタの登場となった。
「さあ、よいこのみんなに、プレゼントがあるからね。ちゃんと一列に並ぶんだよ」
「はああーい!」
 きゃあきゃあ、ぎゃあぎゃあいいつつも、童心に帰った面々は素直に並んで、サンタクロースが持っている白い大きな袋の中からプレゼントをもらう。
 飛び入り参加したアスカや小笠原も、テニスのラケットやゴルフのパターなどをもらって喜んでいる。
 直子は大きなテディベアを抱えてニコニコ。
 モバイルをもらってまた困惑気味なのは小林だ。
「せーけど、俺、いきなりきてこんなんもろてもえんやろか……」
「藤堂さん、プレゼントするのが好きなんですよ、だから喜んでもらった方が、嬉しいんだと思いますよ」
 浩輔が戸惑う小林にこそっと言った。
 やがて、サンタに手を振りつつ、迎えに来たマネージャーに急かされて小笠原が帰ると、みんなそれぞれ、プレゼントを抱え嬉しげな顔で帰っていく。
「アスカさん、帰りどうする?」
 心配した良太が聞いた。
「今日は家に行くの。パパに迎えにきてもらうから平気」
 間もなく父親の車が着いたらしく、「メリークリスマス!」と手を振りながらアスカが帰った。
「良太、ほな、俺も迎えきてもらうから、送っていくわ」
 良太に小林が声をかける。
「え、でも俺、片付け手伝っていくから」
「俺も手伝うし。くるまで三十分はかかる言うてたよって」
「…はあ…でもひょっとしてそれって……」
 凶暴を絵に描いたようなしかも皮肉屋の京助の顔が脳裏に浮かび、良太はちょといやかも、と思う。
「な、良太」
 小林が声をひそめて良太に耳打ちする。
「何ですか?」
「俺、何か、悠くんに睨まれてるんやけど、気のせいやろか?」
「は? 悠くんにですか?」
 小林はコクリと頷く。
 良太は悦子や高津らと食器を片付けている悠を振り返るが、アーティストの三人は笑いながら空になったボトルや空き缶を寄せ集めたり、ゴミを分別して袋に詰めたりしている。
「気のせい、ですよ」
「そやろか」
 小林はそっと悠を盗み見る。
 と、また視線が合い、悠はきつい目を向けてくる。
「気のせいやないと思うわ。俺、何かしたやろか」
「うーん、誤解、とか?」
「……? 誤解、か。何やろ」
 小林はまた首を傾げながら、食器洗い機に食器を入れた。
 
 
 


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