好きなのに 101

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脱力してソファに座り込んだのは良太だった。
「ああ、もう、俺は知らないからな! 沢村のやつ! せっかく人がことを荒立てないようにとか気をつかってやったのに! 関西タイガースはプロだからうるさい規則はなしってとこだからいいようなものの、下手にスクープでもされたらどうすんだ!」
「大丈夫。だって女、じゃないし」
「そういう問題?」
「それに今ここにいるのは酔っ払いばかりだし、明日になれば夢でも見たってことで」
直子もその隣で肩を落とし、ふうと息をつく。
「だって、充分、素面の人ばっかだよ?」
その隣に座った浩輔がのほほんと言った。
「そう、これは演出よ! 速水さんが言ってたじゃない!」
直子は断言した。
「良太も何かと苦労するな」
ぽんと肩を叩かれて見上げると、シルビーを従えた千雪が立っていた。
そこへやってきたのは「お茶でももらおうと」階下に降りてきた藤堂である。
「何かあったの? 部屋を出たら、喧嘩じみた声が聞こえたけど」
良太は藤堂の顔を見ると苦笑して、また、はあああと大きな溜息をついた。

 

沢村がこの別荘に来て最初に京助に確認したのは、車で外に出るときの門の開閉のことだ。
別荘の中からモニターを見ながら操作するか、京助の他、いくつかの携帯にリモコン機能があるが、でなければ門の内側にあるパネルで門は開くし、後は放っておけば自動的に閉まるのだという。


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