好きなのに 108

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 七時を過ぎると、最初に大や公一が現れ、あくびをしながら良太がダイニングにやってきた。
「おはようございます」
「良太、今朝は起こしてしもて悪かったな」
「いえいえ、朝叩き起こされるのは慣れてますから」
 良太はトレーに味噌汁や卵焼きを載せている。
 ぞろぞろとみんながやってくる中、直子が佐々木を見つけて驚いた。
「あれ、佐々木ちゃん、おはよ!」
「おはよう」
「沢村っちは?」
「トレーニングしてくるって」
「わ、じゃ、佐々木ちゃんのフレンチトーストあるんだ! あ、佐々木ちゃんは座ってて、直が持ってくるから。ご飯とパン、どっちがいい」
「うーん、パン、ちょっとでええ」
 きっと疲れた顔してんのやな、俺……
 さりげなく気をつかってくれている直子に佐々木は感謝する。
「おはようございます」
 まだ眠そうな浩輔がやってくると、直子愛用のマグカップが佐々木の左隣に置いてあるので、佐々木の右隣にストンと座る。
「今日帰っちゃうんですか?」
「ああ、明日の午後、春日さん経由の仕事で撮影あるし。てことで、今日は存分に遊んで、明日また直ちゃん頼むな」
「任せといてください。何かでも佐々木さん、今日は随分……」
「ひでぇ顔してるやろ?」
「逆、何かいつもよりきれい……」
 途端、トレーをテーブルに置いた直子に浩輔はパカンと頭をはたかれる。
「ってぇ、何だよぉ……」


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