好きなのに 113

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 結局良太は強引な沢村に押し切られて一緒にスキーに行くことになった。
「佐々木さんが心配するから、仕方ないだろ、マスコミに何か嗅ぎつけられたらって」
「俺のせいにするな! お前のことやろ」
 運転しながらまた他人事のように言う沢村に、助手席に押し込められた佐々木は反論する。
「俺をダシにするのはいいけど、ほんっとにお前、言動注意しろよ? 別荘を出たら回りはみんなテキだと思え!」
 良太も沢村のうっかり発言を心配している。
「うっせーな、わーかってるよ」
 そんなこんなで沢村の別荘までやってきた三人だが、佐々木は今日は朝が早かったから少し休むと言った。
「明日の仕事に差し障りあると困るからな。お前らみたいに若くないんやから」
 二人で行ってこい、と自分のスキーをルーフーボックスから降ろした佐々木は二人が出かけると、だる重いのが一気に舞い戻り、身体をベッドに横たえるなり、すうっと眠りに落ちた。


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