好きなのに 115

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 佐々木の荷物はずっと車に乗せたままだ。
「どこかでメシ食って、良太、別荘に送ったら出よう」
「え、良太ちゃんも一緒に帰るんやろ?」
 すると沢村はあからさまに剣呑な目つきになる。
「二人で帰るんだろ?」
「来る時、良太ちゃん乗せてきたん俺やで?」
「他に今日帰る連中もいるからいいんだよ」
 呆れた我侭ヤロウだと思いながら、ベッドを整えようとした佐々木を沢村が後ろから抱きしめる。
「掃除はやってもらうからいい」
 そう言うだろうと思って、今朝行きがけにシーツを洗濯機に放り込んでおいてよかったと思う。
 全く、こいつときた日には!
「こら、離せ……て」
「何か、あんた、色っぽ過ぎるし、心配なんだよ……」
「何、アホなこと……」
 張り付いている沢村の腕からようやく逃れ、佐々木はたったか部屋を出て下へ降りる。
「悪いな、待たせてもて」
「あ、いえ、充分眠れました?」
「おかげさまで」


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