好きなのに 122

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 佐々木は沢村が何の目的でここにきたのかと、無愛想な沢村の表情を伺いながら一応友香を紹介する。
「沢村です。友人ってのはちょっと違うけど……」
「おい!」
 佐々木はこいつはまた何を言い出すのかと沢村を睨みつける。
 沢村はそんな佐々木に不満そうな顔をしながら、奥の絵の方に歩いていく。
「ごめん、ギャラリーの人、休憩行ってて、今、お茶入れるね」
「あ、ええよ、トモちゃん、かまわんといて」
 キッチンに友香が行くと、佐々木は沢村に歩み寄る。
「周ちゃん、トモちゃんとかって仲よさそ」
 途端、揶揄する沢村に佐々木は眉を顰める。
「一体、何しにきたんや?」
「そりゃ、佐々木さんはもう俺のモンだから手ぇ出すなって」
「お前な!」
「って、言っちゃダメなんだろ?」
「おちょくってんのんか!」
 小声で話していたものの、つい頭にきて佐々木は声を上げそうになる。
「周ちゃん、沢村さん、どうぞ」
 紅茶を入れてキッチンから出てきた友香が二人をテーブルセットへ促した。
「周ちゃん、ミルクティだよね。好み変わった?」
「全然」
「沢村さん、紅茶でよかったです?」
「ええ」


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