好きなのに 21

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 沢村から携帯に電話が入ったのは、もう午前零時を回った頃だった。
「そっちはあったかそうやな」
 東京は寒そうだと沢村が言うので、佐々木は笑った。
 自分からかけるのは躊躇するのだが、結局、沢村からの電話は嬉しいし、やっぱり電話を待っている自分もいる。
 それに…………。
「今度の火曜休みなんだ。こないだみたいな無茶はしない。月曜の夜、ホテルの俺の部屋来れない?」
「トモ、キャンプが終わるまで会わないっていったはずや」
「何でだよ? 俺はあんたに会うからって練習に手を抜いたり、ポカやったりなんかしない。俺の場合、毎年調子は尻上がりだし、自分の管理くらいはきっちりやってる」
 沢村は激昂する。
「休みってのは身体を休めるもんやろ? トモのやり方に口を挟む気はないし、きっちりやってるやろ、いうことはわかる。せやから、休む時に休まないで、また東京とトンボ帰りなんかしたら、いくらトモでも身体に負担がかかるに決まってる」
「俺はそんなやわじゃない」
「ほな、去年はどないやった? キャンプの休み、どう過ごしとった?」
 沢村はぐっと言葉に詰まる。
 確かに去年は休みはきっちり身体を休めていた。
「そりゃ、うまが合わない先輩方とゴルフとかはごめんだったしな」


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