好きなのに 39

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 八丁目にあるガーデンホテル銀座、エレベーターで十六階に上がると、夜景が見渡せるスカイレストランがあった。
「わあ、すてき!」
「せやろ? たまには直ちゃんへの感謝デー、やらんと」
 窓際の席に案内されて、直子はそれまでのもやもやが吹き飛んだかのように喜んだ。
「え、そうだったんですかぁ? だったら俺、お邪魔だったんじゃ……」
 席についてから、浩輔は恐縮する。
「ああ、ええの。浩輔ちゃんにもいろいろ世話になっとるし」
「まあ、藤堂ちゃんたちについていかなかっただけ、マシだよぉ、浩輔ちゃん」
「ちぇ、俺だってそのくらい、わかってるよ」
 二人の会話を聞いて、佐々木はふと気がついた。
「え、もしかして、まさか、あの二人………?」
 うそだろ? という気持ちでつい口にする。
 直子と浩輔は一瞬顔を見合わせる。
「まあ……………、一緒に暮らしてるしねぇ………」
 直子は肩をすくめる。
「そうか。藤堂さんは良太ちゃんとかな、と思たこともあったんやけど………」
「ああそれ、良太ちゃんは違うよ。藤堂ちゃんって、結構誰にでもそーんな感じだからねぇ、キレ者で曲者だもん、あたしでさえ、最初、浩輔ちゃんは藤堂ちゃんとだと思ったもん」
 佐々木の呟きを訂正して、直子が笑う。
「ありえないよ、藤堂さんなんて、俺!」


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