好きなのに 4

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 思い出しても腹が立つ。
 出前が届いたので、受け取って戻ってきたが、まだ佐々木は風呂から出てこようとしない。
 心配になって、沢村はバスルームのドアをノックした。
「佐々木さん、大丈夫か?」
 すると、ややあって佐々木の返事があった。
「今、あがる……」
 佐々木はバスタブに湯をためて、しばらく浸かりながら、自分の情けなさにつくづく呆れていたのだ。
 直子や藤堂や良太だけでなく、その上沢村にまでとばっちりが及んだことに、これはやはりもう一度根本的に考え直さなくてはならないのではないかとも思う。
 一番簡単なのは、沢村とつき合うのをやめることだ。
 よもやこんなことが二度と起きるとは思わないが、こうして二人で会っていることをマスコミに嗅ぎつけられたら、植山が言ったように可笑しなスキャンダルになること受け合いだ。
 この関係も、自分が沢村に押し切られなければ終わっていたはずだ。
 だがしかし………。
 沢村と植山、年齢も近いし、この二人のやることは五十歩百歩、強引で自己中で我侭だ。
 ただし、その人となりは違うし、佐々木が好きなのは沢村だから、それだけで全く状況は変わってくるが。
 仮に植山の方と先に出会っていたとしても、あの男に心引かれていたとは思えないし。
「にしたって、何だっていい大人の男が、バツイチの三十男なんか襲うかねぇ……」


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