好きなのに 41

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 イタリアンの最高級のコースだ。
 佐々木が何となく機嫌よさげなのが、直子には逆にちょっと心配だった。
 それでも美味しいワインと料理に舌鼓を打つと、ほんわかと直子の気分も上昇する。
「スキーやけど、俺、仕事で明日の夜からは無理やな。土曜の午後にでもこっちを出て、水曜の朝に戻ろ思てる」
 ドルチェが出ると、スキー合宿の打ち合わせとなった。
「じゃあ、直もそうする。佐々木ちゃんに乗せてもらおっと」
「でも明日の金曜の夜からOKって言ってたよね?」
 浩輔が口を挟んだ。
「俺、藤堂さんの車に乗せてもらうんだけど、直ちゃんも一緒に行けばいいよ」
「え、だって、悠ちゃんもいるし……」
「だったら、俺の車で行く? 限定二人だけど……」
「えええ? あのビートルで雪道行けるの?」
 直子は疑い深げな目を浩輔に向ける。
「行けるよぉ、スタッドレス履けば」
「ふーん……まあいいけど」
「まあ、藤堂さんとまた確認して早めに連絡するよ」
 佐々木はそんな二人のようすを微笑ましく見ていた。
「なんか、また、俺のこと、ガキだとか思ってみてません?」
 佐々木の視線に気づいて、浩輔が言った。
「違う違う、あの浩輔がいっぱしのもんになったなぁと思てな」
「何ですか、それぇ……」


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