好きなのに 45

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 佐々木が距離をおこうとしているのではという沢村の焦りが、良太にも伝わったのだろう、教えてくれた住所を沢村は書きとめた。
「そうそう、肇とかおりちゃんも行くって言ってた」
「久しぶり桜少年野球会勢ぞろいじゃないか。あいつら、まだ結婚しないのか?」
「当分、まだないみたいだ。肇のやつ、資金貯めてるんだろ。かおりちゃんも今の二人を楽しんでるんだと」
「へえ」
「とにかく、いいか、天候とかいろいろ状況考えて行動しろよ? お前の我侭の片棒担いで佐々木さんに睨まれるのなんかゴメンだからな」
 最後に念を押して、良太は携帯を切った。
 佐々木を怒らせるかもしれないという危惧が無きにしも非ずだが、沢村はそれでもどうしても佐々木に会いたかった。
 喧嘩はしたくはない。
 でも、とにかく会いたい。
 あ~あ、と一つ溜息をつく。
 やっぱ、俺が思うほどには思ってくれないんだろうな。
 あのクソ俳優のあとは、元妻かよ……。
 誰だろうと、ぜってぇ、渡さないからな。
 沢村は思わず拳を握り締めた。


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