好きなのに 49

back  next  top  Novels


 ふと、河崎は仕事にかまけて浩輔をほったらかしにしているのではないかと、佐々木はちょっと心配になる。
「ああ、ポッと空いた時とかに。でも結構それって唐突だから、巻き込まれる方は大変かも……」
 三浦は浩輔のことを言っているのだろう。
「とにかくあの二人? 河崎さんと藤堂さん、お二人と一緒に仕事するってのは最初は大変でしたよ。巻き込まれちゃって、あたふた。浩輔くんはよくやってるなとか思いましたもん」
「確かに」
 佐々木は思わず頷いた。
「まあ、でも、そのうちこれは何かくるぞとか、予想して行動できるようになりましたよ。ならざるを得なかったというか」
 そう言って三浦はまた笑ったが、少なくとも河崎や藤堂との仕事に揺ぎ無い信頼を寄せているのは確かだと、その表情から見て取れる。
 やがて電話を終えた河崎とスケジュールの確認をして、佐々木はプラグインを出た。

 

 愛車であるボルボのステーションワゴンに真新しいスキー用具一式を積んで、佐々木は青山プロダクションに向かった。
 正月に沢村とスキーに行くことになった時に、古くなっていたスキー用具を新調した。
 そういえば、みんなでどこかへ遊びに行くというのも、佐々木には久しぶりのことだった。
 浩輔が会社を辞めてからだろうか、遊び好きな会社ではテニスだ、沖縄だ、北海道だと幾度か機会はあったものの、飲み会以外は仕事を理由に外れていた。
「ま、ここは久々、思い切り遊ぶのもいいか」


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ