好きなのに 53

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 そんなことを考えると、佐々木の心はクールダウンというより、またぞろ底なしの沼にはまっていきそうになる。
「えっ、いや、信頼っていうより、腐れ縁って感じだから……ハハハ……」
 良太も佐々木の表情に心なしか憂いが混じってきたような気がして、少し焦っていた。
 俺、調子にのって、何か下手なこと言ったかな……どうしよ、佐々木さん、気を悪くしてたり……まずいぞ、沢村、多分来るってのに………
 そうだ、アスカさんとか沢村が俺を引き抜くとかバカなこと言ってた頃のこと、佐々木さんに話したりしないよな。
 良太ははたと、昔の騒動のことを思い出した。
 いや、わかんないぞ。アスカさん、平気で工藤さんのことでも俺をからかうし、やっぱ、沢村と佐々木さんのこと、話した方がいいのかな………
 でも、そんなことしたら、あの人、今度は佐々木さんと沢村のことからかったりするかも。
 う~~、どうしよう。
 それよか、佐々木さん、俺のこと変に誤解したんじゃないよな?
 それぞれの思惑を乗せて、車は夕闇が迫る軽井沢へと向かっていた。


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