好きなのに 56

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 良太がついついそんなことをブツブツ言うのを佐々木は笑う。
「まあねぇ、仕事の延長みたいなもん? けど、今回は紫紀さんやのうて、京助さんやろ?」
「う……、いや紫紀さんは優しい方なんですけどね……、京助さんはまた別の意味で苦手っていうか……一月にドラマのロケハンと小林先生との打ち合わせを兼ねて工藤と猪苗代に行った時、終わってからちょっとスキーやったんですよ、そこで小林先生たちとたまたま同じスキー場でまた顔合わせて、そしたら、京助さんて、やたら教えたがりだって言うし、元々横暴な人だし、ちょっとカンベンって感じで」
「なーんか、良太ちゃんも人生いろいろありそうやな」
 佐々木はまたクスクス笑いながらハンドルを切った。
「佐々木さん、ちょっと面白がってませんか?」
「いやいや……」
 車が玄関に近づくと、中から直子が飛び出してきた。
「お疲れ様! 佐々木ちゃん、良太ちゃん! 早かったねぇ」
「直ちゃん、今日は存分に遊んだ?」
 ルーフボックスからスキーを外しながら佐々木は聞いた。
「うん! すんごく楽しかったよ」
「佐々木さん、良太ちゃん、お疲れ様です~」
 直子の後ろから浩輔が顔を出した。
「おう、昨日、浩輔のビートルでまともに来られた?」
「ちょっとトロついたけど、まあまあ?」


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