好きなのに 6

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 驚いた佐々木は沢村の腕から逃れようともがいて声を上げる。
 佐々木の言葉を無視した沢村は髪から耳、首筋へと唇を這わせる。
「………トモっ!」
 佐々木が身を捩ると、湯上りの佐々木の匂いがかえって沢村を刺激する。
「……っクソっ! ダメだっ……」
 スイッチが入ってしまってどうにもならなくなった沢村は、邪魔なバスローブを引き剥がして、佐々木に喰らいついた。
「おい、こらっ、やめっ! 料理、冷めるで!」
「んなの、チンすりゃ食えますって……それよりあんたが喰いたい……」
「バカッ………」
 かろうじて佐々木を引き摺るようにしてソファまで来ると、沢村はそのまま倒れこむようにして佐々木の身体を攻め始めた。
「………あっ……トモっ…………!!」
 ………一番簡単やなんて、んな簡単にトモと離れられるんなら、とっくに……や…
 植山が触ってきよった時はおぞましいだけやったのに、トモがちょっと触っただけで身体が熱うなるばっかや……。
 トモに喰われて悦んでる身体やなんて、自分ではどうにもならんなんて……三十路も過ぎたオッサンがおかしいで……
 グダグダと考えられたのはその辺りまでだ。
 底なしの沼に沈むように身体は互いに貪りあい、佐々木はやがて意識を飛ばした。
 白いものがひっきりなしに落ちているのが見えた。


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