好きなのに 76

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 リビングではすっかり出かける用意を済ませた直子や浩輔、藤堂と、悠らアーティスト組がフェイスマスク談義で盛り上がっていた。
 おしゃれなフェイスマスクやネックウォーマーを直子が浩輔に見せているところへ、玄関が開いて、一人の男が入ってきた。
「盛り上がってるね。こんにちは。京助、いる?」
 セーターにマフラー、ダウンジャケット、ちょっと軽めのインテリ風ハンサムガイといったところか。
「まだダイニングかキッチン?」
「多分」
 直子が言うと、浩輔が頷きながら答えた。
「サンキュ」
 ダイニングに向かいかけた男に、階段から降りてきた三田村が、「速水さんじゃないですか」と声をかけた。
「お、三田村くん。久しぶりだね、恵美さんは?」
「今回は娘と里帰り。俺はちょっと羽を伸ばしてるところです」
 速水がダイニングに消えると、後ろから降りてきた研二が「知り合いか?」と聞いた。
「ああ、京助さんのダチ。前に会うたことがあって。それより今日はどこ行く?」
 やがてそれぞれ何人かずつで一緒になって行きたいスキー場へと向かった。
 早々に出発したのはボード組だ。
 直子は大や佐久間と公一の運転するステーションワゴンに、高津が藤堂の車を借りて悠や悦子を乗せて意気揚々と出かけていった。
 肇とかおりは良太も誘ったが、結局二人で肇の車で出発した。
 千雪や研二ら同級生は亜美をつれて出ると、先ほど現れた速水は理香やブロンド美人二人を連れて、近くのプリンスホテルスキー場へと向かった。


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