好きなのに 77

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 一番遅く起きてきたエットーレは、結局アスカや京助と一緒に行くことになり、佐々木たちと一緒に行くと言っていた秋山もそちらに同行することにしたようだ。
「オフですが一応、お姫様の動向が気になりますから」
 藤堂が佐々木のボルボを運転して、佐々木、良太、浩輔を乗せて出発すると、最後に京助が三人を自分の車に乗せて別荘を出た。
「悠ちゃん大丈夫かな、昨日もボード初めてだって言ってたけど」
 後部座席で浩輔がボソリと言った。
「高津くんや直ちゃんがいるから、大丈夫だよ」
 藤堂はそう答えたが、結局着いたのは、悠らが行くと話していたスキー場だった。

 晴天だった空が怪しくなり、雪が少し強くなると、四時を越えた頃からあちこちのスキー場に散らばっていた面々が別荘へと戻ってきた。
 京助がアスカら三人を引き連れて戻ってくるのとほぼ同じ頃、佐々木や藤堂らも戻ってきた。
「お帰りなさい」
 玄関ドアを開けると中は温かく、意外な人物が彼等を出迎えた。
「平さんじゃない! どしたの?」
 アスカは喜んで駆け寄った。
「いや、アスカさんらがお世話になっとるっていうんで、何かお手伝いさせてもらおうかと」
「わ、平造さん! 俺、そっちに行こうかと思ってたんですよ」
 久しぶりに老人に会えた良太も嬉しげに言った。
「お陰で今日はちょっとラクさせてもらいました。よろしくお願いします」


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