好きなのに 84

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 寡黙でクールとか言われながら、実は結構熱くなりやすいし、我侭だ。
 まあ、今頃はキャンプに集中しているのだろう。
「しかも昨日作ってくれた和菓子、美味かったし。また作ってくれるかな」
「ほんまの菓子職人やもんな。京助さんのパイも美味いし、今夜も平造さん、作ってくれはるんやろ? 豪勢やな」
 ついついまた沢村に思いを飛ばしていた佐々木も我に返る。
「せや、美味い菓子にはやっぱお抹茶がええんちゃう? 佐々木先生、あとで点てて下さいよ」
「また先生とかやめてんか。点てるのはええけど、お茶や道具とかないと」
 千雪の提案に、佐々木は苦笑しながら言った。
「確かあるある。京助に言うて、持ってくるわ」
「俺、お抹茶は嫌いじゃないけど、正座がちょっと……」
 情けなさそうに言う良太に佐々木は笑った。
「普通に椅子でええんや。飲むだけやったら」
「だったら、俺もお願いします」
 良太も現金にへへへ、と浩輔と顔を見合わせる。
「今夜思い切り飲むいうてたやつ、今の内に風呂入った方がええんちゃう? 研二も、また厨房手伝うみたいやけど、その前に入ったらええて言うたって」
 朝は張り切って風呂掃除をした三田村は「せやな、そうさせてもらお」と千雪と一緒に階段を上がっていった。
 亜美やアスカ、秋山と一緒に出かけていた京助は既に戻ってきていて、平造と打ち合わせをしていたが、そろそろ買出しに行くか、と今日の買出し要員になっている佐々木や良太に声をかけてきた。
「今日はイタリアン風だって」
 リビングのソファで亜美と紅茶を飲みながらまったりしていたアスカが言った。


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