好きなのに 91

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 夕食はイタリアン風に豪華な料理が並んだ。
 トマトのブルスケッタ、バジルソースのパスタやぺペロンチーノ、パルミジャーノチーズのリゾット、ミネストローネ、豚肉のインボルディーニ、マグロのカルパッチョ、ホタテのサルタート、牛肉のタリアータ、とイタリアン風というより本格的なイタリアンだ。
 沢山のワインのコルクが抜かれ、みんなが健啖ぶりを発揮しているところへ、デザートのティラミスも出てきた。
 さらに研二がお手製の和菓子を運んでくると、佐々木の出番となった。
 俄か茶道の一角はみんながかわるがわる訪れる。
 外国人モデルたちは早くから佐々木の傍にやってきて、お茶の飲み方などの説明を求めた。
 特に「Bello! Splendido!」と感嘆の言葉を何度も口にするのはエットーレだ。
「こんなとこで本格的なお茶いただけるとは思わなかったわ」
 とは、五所乃尾理香である。
「一杯いただけるかな」
 悠と一緒にやってきたのは藤堂だ。
 どうやら一日仕事で部屋に籠もっていたようだ。
「お疲れ様です。何かやつれてません?」
 佐々木が聞くと、「そうだよ、もう仕事なんかやめろって」隣に座る悠が言った。
「そういうわけにはいかないんだよ、でも、美味しいお菓子とお茶をいただけば、百人力!」
 一口飲んで「わ、にが……」と口走った悠だが、意地で飲み干した。
 休めよ、と悠に言われた藤堂は先に部屋に戻るとは言ったものの、おそらくまだ仕事が残っているのだと、佐々木は階段を上がっていく藤堂を気の毒そうに見た。
「おいし~い!」
 かおりや悦子、直子やアスカらも研二の菓子をほおばり、佐々木の点てたお茶を飲んでご満悦だ。


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