笑顔をください 10

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 本校舎の裏に教職員用の駐車場がある。
 三時間目と四時間目の授業の合間、そのあたりで、ガタイの大きな男たちが三人、さらにガタイのでかい男を取り囲んで小突いている。
「最初っから目立ちすぎなんだよ、てめー」
「はあ、すんません」
「ムカつくんだよ、ガンくれやがって」
「いや…、それは勘違いでは…」
「カンチガイぃ? ざけんじゃねっぞ! 『ウラバン』様がそんでナットクすると思ってんのか、オラぁ」
 大男への接近はそう難しくはなかった。
 志央は担任からもこの転校生について情報を得ていた。
『ああ、あいつな。二、三日転校手続きが遅れたらしい。慣れない環境で不安もあろうから、できる限りフォローしてやってくれよ、生徒会長』
「あれか」
 あれは目立つだろう、並外れて図体の大きな転校生の噂は瞬く間に校内に広まり、何かあったら知らせるよう頼んでいた新聞部の西本から、例の転校生が早速何かやらかしそうだ、と志央の携帯についさっきメールが入ったのだ。
「そこで何をしている」
 つかつかと近づいて、志央は声をかける。
「やべ、城島…」
 大男を小突いていたうちの一人がボソリと呟く。
「転校生に何か用があるのか? もう授業が始まる。さっさと教室に戻ったらどうだ」


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