笑顔をください 101

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 志央は逆に後ずさる。
「あれは…せっかく、妹さんが作ってくれたって言うから…」
「志央さん、素直じゃないんだ」
 また一歩七海が前に出る。
「俺のこと好きなんでしょ?」
「だから………俺は幸也と賭けをして…」
「ミイラ取りがミイラになった?」
 七海は茶化す。
「バッカやろ! 生意気ぬかすな!」
「フ…、そうですね。俺はあなたにとって、賭けのコマでしかなかったんでした。じゃあ、これでほんとにお別れです。ご要望どおり、行っちまいますよ」
 再び七海が背を向け、ドアノブに手をかけた時、体が勝手に動いて、志央はガクランの裾を掴んでいた。
「…行くな! バカ」
「引き止めたら、俺、何するかわかりませんよ。いいんですか?」
「…いい…から…」
 振り返りざま、抱きすくめられ、激しいキスが志央を襲う。
「俺の志央さんに触りやがった高橋のヤロー、ぶち殺してやればよかった!」
「七海…」
 志央には拒む理由がもうなかった。
 眼が眩むほどの甘美なキスを十二分に志央にくれたあと、ダメだ、と七海が呟く。
「何が?」


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