笑顔をください 104

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 喉が痛い。
 叫び過ぎだ。
 一日中七海を呼んでいた気がする。
「…みっともなかったな、さっき」
 掠れた声しか出ない。
 ほとんど裸の上にガクラン着せられて、タクシーを呼んでもらって部屋に辿り着いたのだ。
 もちろん、七海がずっと付き添ってだが。
「大丈夫。志央さんなら、何も着てなくてもすんげーきれいだ」
 パン、と志央は七海の頭をはたく。
「ってー」
「……るさい。お前、髪、伸びたな」
 志央は七海の茶色の髪を引っ張る。
「タコ坊主がすっかり変貌しやがって」
「タコ坊主がよきゃ、また刈りますよ」
「今のままでいい」
 結局、そのタコ坊主のいいようにされてしまったのが、志央は悔しい。
「クソ、お前、相当遊んでただろ」
「そりゃ、志央さん泣かせるくらいは」
 パーン、とまた七海の頭がはたかれる。
「志央さん、乱暴ですぅ」
 甘えた声で七海は志央に擦り寄ってくる。


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