笑顔をください 11

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 志央は男たちを睨みつける。
「いや、校内を案内してやろうかと…なー?」
「そうそう。また放課後な、転校生」
 三人は口々に適当なことを言いながらチンタラ退散した。
「大丈夫か? 君」
 絡まれていた大男は志央に顔を覗き込まれた途端、茹蛸のように真っ赤になる。
「あ、あの時の! 窓のところにいた人…!」
「ああ、俺もよーく、覚えてるよ」
「こ、こんなに早く会えるなんて! ありがとうございました。び、ビジンだ――! か…感激ですぅ…」
 お前が運悪くあんなところを通るから、わざわざやってくるはめになったんだよっ! などと志央が心の中で悪態をついているのも知らず、転校生は体を折り曲げるようにして感嘆のセリフを並べたてる。
 二メートルはあるんじゃないかと思うほどの迫力なガタイ、五部刈りの茶髪頭、眉の太い、精悍そうな顔、野太い声。
 こいつが二年? うっそだろ。何年も留年してんじゃないのか? 何をやらかして、流れてきたんだか。
 このタコ坊主のどこに不安があるよ、と思った志央だが、そのタコ坊主、案外人のよさそうな目を細め、照れくさげに笑う。
 どうやら見掛け倒しか。
「これも生徒会長の務めだからね。三年の城島志央だ。よろしく」


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