笑顔をください 13

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 普段はそんなものに気を止めもしないはずの志央だが、藤原の行動に何だかこちらも愛しささえ覚え、つい一緒になって花を土で固めていた。
 あれ、こんな光景、前にあった…? なんだったっけ?
 頭の中をよぎった何かがあったが、志央はそれがすぐに思い出せなかった。
「あの、でも、さっきの連中、邪魔されてあなたに迷惑かけたりしませんか?」
 パンパンと制服の埃を払いながら藤原が志央を振り返る。
「ああ、君が気にすることはない。それより転校生がイジメられてるって聞いて、飛んできたんだぞ」
「え、いやー、昔はイジメにあったこともありましたけど…」
「君が?」
 志央は目を見開く。
 イジメなんて冗談で言ったつもりだったのに。
「昔、転校した先でイジメられて、それがトラウマんなってて…どうもイジメとかって、異様に反応しちゃって」
 なるほど、それでこんなガタイしてても気が弱い、と。
 志央は勝手に納得する。
「そういや、何かイジメにあって入院したヤツがいるらしいって聞きましたけど」
 志央は眉をひそめた。
 三月末に奥田という当時一年の生徒が入院した。
 その理由がイジメグループに暴行を受けたからだと、生徒の間で囁かれている。


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