笑顔をください 14

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 公にはなっていないものの、学園側としては口にされるだけでもありがたくないことこの上ない。
「さっそく君の耳にも入ったのか」
「何か、この学園に裏番がいるとか、剣道部員がリンチしたとかって、ひょっとしてさっきの連中が? 裏番様がどうとかって……」
「裏番だぁ? マンガの見過ぎじゃないのか?」
 志央は笑う。
「前の学校でも噂、流れてたんですよ。脛に傷持ってる連中の間で。敵対するヤツがいたら、足腰立たなくなるまで痛めつけるって」
「おいおい、そんなことしたら、とっくに警察沙汰になってるぜ」
「それもそう…っすね」
 藤原はまた懐こい笑顔を見せる。
「でも、カッコイイです、城島さん。生徒会長っても、あんな連中と堂々とわたりあえるなんて! そんな、細いのに。あー、いやその、きれーなのに」
 きれいだとか、そういう美辞麗句は聞きなれている志央も、面と向かってこれほど激しく賞賛されたことはない。
 なのに、藤原の眼差しには邪気が微塵も感じられず、妙にその言葉はストレートに受け止められる。
「君から見ればみんな貧弱かもな」
「ハ、ハハ…すんません」
 頭をかきながら、藤原はペコリ。
「さっきのやつらはちょっと粋がってるだけだろう。多分」
「はあ…」


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