笑顔をください 16

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 さて、生徒会室では、志央が勝算あり、と内心ほくそ笑んでいる傍らで、珍しく焦りの色を見せている男がいた。
「それ、EXCELで入力するんだろ? 俺、手が空いてるから、手伝おうか?」
 黙々と領収証を整理してメモっている勝浩の傍でさっきからうろうろしながら、恐る恐るお伺いを立てたのは幸也である。
「結構です」
 一刀両断、放課後の生徒会室に勝浩の判決が下る。
 幸也のその涙ぐましい努力を目の当たりにしながら、志央はクスリと笑いを漏らす。
「何もとって食うわけじゃあるまいし、堺、手伝ってもらえばいいだろ? でも、二人きりになると、そいつ、狼に変貌するかも」
 堺には自分も嫌われているとわかっていて、志央は茶々を入れる。
 一度懐柔しようとして失敗した幸也だ、ちょっとやそっとで信用が回復するわけはない。
「反則だぞ!」
 幸也が志央の耳元で囁く。
 思わずにんまりしてしまうのは、志央の方は順調に進んでいるからだ。
「志央さぁん! メシ、行きましょー」
「おう、七海、お前ちゃんと授業受けてきたのか?」
 四時間目が終わると同時に、二年生棟から三年生棟までダッシュでやってきて、藤原七海は威勢のいい声で志央を呼ぶ。


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