笑顔をください 24

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 志央のアドバイスに、七海は従順に従う。
「そうだ、あの、俺、今度メシ作りにいきましょうか?」
 志央は唐突な七海の申し出に、ちょっと躊躇う。
「何がいいですか? 大概のものならできますよ、俺」
「え…っと、…オムライス、とか」
 ほかほかした、美央が作るオムライスがふっと目に浮かぶ。
 大好きだった。
「オムライスかー、まかせてください。あの、今週の土曜とか、お邪魔していいですか?」
「あ、ああ…まあ、いいぞ」
「うわ…、嬉しいなー!」
 笑うと目がなくなる。
 七海は五部刈りの茶髪頭を掻きながらも身体全体で喜んでいる。
 志央は成り行きで家にきていいと言ったことをすぐに後悔し始めていた。
 賭けなんかのために、どうして、いいなんて言ってしまったのだろう、と。
 美央がいなくなってから、幸也以外、母親ですら家に入れるのなんていやだったのに。
 半面、七海の満面の笑顔を見ていると、賭けのために騙しているという後ろめたさも感じないではない。
 と、その時、アニメの「アルプスの少女ハイジ」のメロディが志央のポケットから流れ始めた。


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