笑顔をください 28

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 志央もピアノやお習字の他に合気道まで、祖父に無理やり習わされていた。
 もっとも志央の腕などそれほど役に立つものではなかったが。
「いつのまに誰が言い出したんだ? 『裏番』なんて。俺はただ、学園が面倒なことに巻きこまれるのがごめんなだけなんだ」
 そんな輩が学園内にいるってだけで、目障りなんだ、志央はイライラと口にする。
 トロいやつをちょっとイジメてやろう、くらいは子供の頃の自分を思い起こせば志央にも十分思い当たる。
 だが、それがエスカレートし、暴行にまで至るその経緯が理解し難い。
 二人ほど逃げられてしまったが、今まで締め上げた連中は八人ほどだ。
 何を聞いても答えないし、そのうち三月に掴まえた五人は調べてみても成績はそこそこだが教室では目立たない生徒ばかりだ。
 いったい何の得があって、イジメなんかに荷担しているのか。
 もっとも彼らは下っ端のグループで、本当に黒幕を知らないのか。
 だが、あとの三人は、いつぞや七海を取り囲んで小突いていた連中と同様、授業についていけなくなったクチだが、殴られてもへらへらと開き直っているだけタチが悪い。
 学外の似たような連中と者ともつるんで遊んでいるようだ。
 彼らが他の五人を暴力で押さえつけているのかもしれない。
 クソ…、これ以上、イジメグループなんかのさばらせてたまるか!


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