笑顔をください 35

back  next  top  Novels


 やってたのが氷上の格闘技だ、それは骨折もするだろう。
「それか。転校の原因」
「はあ、すんません。そんで約束破ったバツに丸刈りに…」
 志央はふき出す。
「俺はカナダではやってたのかと思ったぞ」
「からかわないで下さい。でも、志央さん、あいつのこと、知ってんですか?」
「ん? …まあな」
 近藤も口を割らないだろう。
 そしたらおそらくもっとひどい目にあうのがわかっているから。
 だがこのまま見過ごすわけには行かないだろう。
 何とかしなくては。
「生徒会でもいろいろ考えてる。奥が深いらしい。いくら見てられなくても、お前はもう首突っ込むなよ?」
「はあ、でも…」
「また転校させられたくないだろ?」
「はあ…」
「約束しろよ。お前がいなくなったら、俺も困る」
 納得いかないという顔の七海に、志央はとっときの笑顔とセリフを向ける。
 何が困るのか、志央にもわからない。
 けど、こいつを巻き込みたくない、と漠然と思う。
「…約束します」
 歯切れは悪そうだが、志央の笑顔効果で七海は茹蛸のように真っ赤になった。


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ