笑顔をください 36

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  ACT 2
 

「楽しそうだな、志央」
 幸也に皮肉られて志央は慌てて顔を引き締める。
 この頃ついつい顔が緩みがちになる。
 七海とつきあいだしてからだ。
 つきあうといっても昼飯を一緒に食べるだけのことだが。
 七海のやつ、明日は何をつくってくれるんだろう、なんて思えば、実はいやいややっていた生徒会の仕事さえも意欲が湧く。
 イジメグループのことも、いろんなうざったいこともどこかにいってしまう。
 七海と一緒に昼メシを食べながら、ぼーっと空を見ていると、何かほっとするのだ。
「創立祭委員会は来週月曜日の放課後だな。幸也、各クラス委員に通達しておいてくれ」
「わかった」
「じゃあ、今日はこれで。お疲れ様」
 四人全員が生徒会室を出ると、志央は鍵をかける。
「志央、メシ食っていくか?」
「バカ、お前誘うやつを間違えてるぜ」
 志央は声を落として囁き、鍵を返すために職員室に足を向ける。
 志央の後姿を見つめ、こんなはずじゃなかった、と思っているのは幸也だった。
 自分を嫌っている勝浩に取り入るのは無理だとわかっていた。
 だが、志央があのタコ男をどうにかするなんてことのほうが遥かに不可能だと思っていたのに。


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