笑顔をください 37

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 志央が七海とつるみだしてから、志央がおかしい、いや、何だか幸せそうにさえみえる。
 だが、そんなことは口が裂けても幸也は言いたくない。
 志央が誰かといて、あんなふうに笑うなんて、美央がいなくなってからついぞなかった。
 まさか、あいつ、本気で………? いや、そんなのあるわけないさ。
 幸也は苛ついていた。
 

 

 

 晴れた空にホイッスルの音が響いた。
 グラウンドでは二年生が体育の授業でサッカーをやっている。
 七海がどこにいるかはすぐにわかった。
 でかいディフェンダーは、すばやい動きで相手の攻撃をかわしている。
 なかなかやるじゃん、あいつ。
「城島……こら城島、そっちに黒板はないぞ」
 しまった、授業中だった、志央は慌てて担任教師に向き直る。
「あ、はい。すみません」
「創立祭のことで大変なんですよ。城島くんの肩にかかってるから」
 助け舟は風紀委員長の高橋昌俊からだ。
 長身に眼鏡をかけた普段もの静かな秀才は、以前から志央には何かと親切だった。
 今年同じクラスになり、他のクラスメイトとはろくに口も聞かないのに、志央にだけは声をかけてくる。


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